韓国旅行中、カフェや飲食店、駅などでバッグがなくなったら、まず何をすればよいのでしょうか。
盗まれた可能性がある場合は、安全の確保、クレジットカードの利用停止、警察への被害申告、海外旅行保険への連絡を優先しましょう。
特に注意したいのが、韓国警察で発行できる証明書と、日本の保険会社が請求時に求める書類の違いです。警察に届け出たというだけで、保険請求に必要な書類がすべて揃うとは限りません。
この記事では、日本人旅行者が韓国でバッグを盗まれた時の対処法を、現地で必要になる韓国語や公式窓口とともに整理します。盗難か置き忘れか判断できない場合の対応も紹介します。
韓国旅行でバッグを盗まれたら、まずすること
バッグがなくなった直後は、次の順番で対応すると、重要な手続きを見落としにくくなります。
- 安全な場所へ移動し、危険がある場合は警察の112に通報する
- バッグを置き忘れた可能性を短時間で確認する
- クレジットカードやスマートフォンの不正利用を防ぐ
- 警察に被害を申告し、受付情報と証明書について確認する
- 海外旅行保険会社に事故を連絡する
ひったくりや強盗に遭った場合は、犯人を追いかけないでください。けがをしている場合は、安全を確保して119への連絡も検討します。
韓国観光公社の公式案内では、警察の緊急電話は112、消防・救急は119とされています。
盗難か置き忘れか分からない時は?
例えば、カフェを出た後にバッグがないと気づいた場合は、店内の座席や忘れ物の保管状況を確認してみましょう。
一方、誰かがバッグを持ち去る場面を見た場合や、盗難を疑う具体的な事情がある場合は、警察へ相談してください。
| 状況 | 優先する対応 |
|---|---|
| バッグを持ち去られる場面を見た | 安全確保と警察への通報 |
| バッグが突然なくなった | 状況の確認と警察への相談 |
| 店に置き忘れた可能性が高い | 店舗や遺失物窓口に確認 |
| カードやスマートフォンもなくなった | 利用停止とアカウント保護 |
韓国警察の遺失物サービス「LOST112」では、届けられた落とし物を検索できます。ただし、落とし物の検索・届出と、盗難被害の警察への申告は同じ手続きではありません。
盗難かどうか分からない時は、決めつけずに実際の状況を説明しましょう。
韓国警察への盗難被害の届出方法

バッグの盗難が疑われる場合は、最寄りの警察署(경찰서)で相談できます。近くの交番(파출소)や地区隊(지구대)でも、被害の申告先について尋ねることができます。
1.発生場所と時間を整理する
警察では、いつ、どこで、どのようにバッグがなくなったのかを説明します。
スマートフォンやメモ帳に、次の情報をまとめておくと便利です。
- 最後にバッグを確認した時刻
- バッグがないことに気づいた時刻
- 店舗名、駅名、住所などの場所
- バッグの色、形、ブランド、特徴
- 中に入っていた財布、カード、電子機器など
- 目撃した人物や不審な状況
- 現場にいた店員や目撃者について分かること
時間がはっきりしない場合は、「14時から15時の間」のように分かる範囲で伝えれば構いません。
店舗や駅に防犯カメラがある場合は、その場所も警察に伝えましょう。映像の確認や保存が可能かどうかは、施設や捜査状況によって異なります。
2.警察で被害状況を伝える
警察では、日本から来た旅行者であることと、バッグが盗まれた、または盗難が疑われることを説明します。
パスポートが手元にあれば、本人確認のために持参しておくとよいでしょう。パスポートも盗まれた場合は、その事実を最初に伝えます。
警察に提出する説明では、確認できた事実と推測を分けることが大切です。
例えば、誰かが持ち去る場面を見ていないなら、無理に盗難と断定する必要はありません。警察に経緯を説明し、適切な手続きを確認してください。
3.受付情報と担当窓口を確認する
申告後は、可能な範囲で次の情報を確認しておきましょう。
- 事件の受付番号など、申告を特定できる情報
- 担当の警察署や部署
- 後から問い合わせる際の連絡先
- 証明書を申請できる時期と窓口
- 保険請求に使える書類の有無
警察への相談を終えただけで、保険会社に必要な証明書が自動的に渡されるとは限りません。
海外旅行保険の請求に必要な書類があることを、警察で明確に伝えてください。

韓国の盗難証明書はどこで取得する?
海外旅行保険で携行品の盗難を請求する場合、現地警察の事故・盗難に関する証明書を求められることがあります。
韓国警察庁の「警察民願24」では、事件・事故、盗難などに関する事実確認書の申請手続きが案内されています。
公式案内によると、この確認書の申請は訪問方式で、本人または代理人が申請でき、手数料は無料です。
ただし、これは制度上の申請案内です。個別の盗難被害について、どの名称の証明書が発行可能か、いつ受け取れるかは警察で確認する必要があります。
警察で確認したい3つのこと
- 今回の被害について、どのような事実確認書を発行できるか
- 保険請求に利用するための書類を受け取れるか
- すぐに発行できない場合、後日どのように申請・受領できるか
警察で発行される書類の名称と、日本の保険会社が指定する「盗難証明書」「事故証明書」の名称が必ずしも一致するとは限りません。
そのため、保険会社に書類の正式名称や受け入れ可能な代替資料を確認しておくと安心です。
韓国警察庁「警察民願24」|事件・盗難関連の事実確認書の申請案内(韓国語)
証明書をすぐに受け取れない場合
警察に申告した当日に、希望する証明書を受け取れるとは限りません。
帰国が近い場合は、受付番号や担当窓口の情報を控え、後日発行の方法を確認してください。
同時に保険会社へ連絡し、証明書を後から提出できるか、受付情報などで先に事故の連絡を進められるか相談しましょう。
韓国語が話せない場合は1330で日本語相談
警察で状況を説明するのが難しい時は、韓国観光公社の1330観光通訳案内を活用できます。
1330は、日本語で韓国旅行に関する相談や通訳案内を受けられるサービスです。電話に加えて、テキストチャットも案内されています。
- 韓国国内からの電話:1330
- 海外からの電話:+82-2-1330
- インターネット経由の相談:公式ページのチャット案内を確認
LINEなどから利用できる案内もありますが、対応方法は公式ページで確認してください。
1330は警察の正式な被害申告を代行する窓口ではありません。危険な状況では112へ直接通報し、日本語の通訳が必要であることを伝えましょう。
バッグの盗難で海外旅行保険を請求する手順
警察への申告と並行して、加入している海外旅行保険の事故受付窓口に連絡しましょう。
バッグやカメラ、衣類などは、契約内容によって「携行品損害補償」の対象になる場合があります。
ただし、補償の有無、対象品目、保険金額、自己負担額、請求条件は契約によって異なります。
1.盗難と置き忘れは区別する
保険請求で重要なのは、盗難と単なる紛失・置き忘れの違いです。
盗難は補償の対象となる契約でも、置き忘れや単純な紛失は対象外とされる場合があります。
警察での説明と保険会社への申告内容が食い違わないよう、実際に起きたことを正確に伝えてください。
盗難かどうか判断できない場合も、そのまま保険会社へ相談することが大切です。
2.保険会社に必要書類を確認する
AIG損保の海外旅行保険における携行品の破損・盗難請求の案内では、主な書類として次のものが示されています。
- 保険金請求書
- パスポートの顔写真欄などのコピー
- 日本の出入国日が分かる航空券やEチケットなど
- 警察などが発行する事故証明書
- 盗難品の購入時の領収書や保証書など
事故の内容によって追加資料が求められる場合もあります。
これはAIG損保の書類案内を例にしたもので、すべての保険会社に共通する一覧ではありません。
3.盗まれた物の一覧を作る
警察への申告や保険金請求に備えて、バッグに入っていた物をできるだけ具体的に記録します。
| 記録する項目 | 記入例 |
|---|---|
| 品名 | ショルダーバッグ |
| ブランド・型番 | 分かる範囲で記入 |
| 購入時期 | 2025年春ごろ |
| 購入金額 | 購入時の金額と通貨 |
| 購入証明 | レシート・注文履歴など |
領収書が見つからない場合は、オンラインショップの注文履歴、カード利用明細、購入当時の写真などが残っていないか確認しましょう。
こうした資料が代わりとして認められるかどうかは、保険会社の判断によります。
4.クレジットカード付帯保険も確認する
海外旅行保険に別途加入していなくても、クレジットカードに海外旅行保険が付帯している場合があります。
ただし、カードを所有しているだけで補償が適用されるとは限りません。
旅行代金の支払いなどが条件になっていることや、携行品損害補償自体が含まれていないこともあります。
カード会社の公式案内で、適用条件と補償内容を確認してください。
クレジットカードやパスポートも盗まれた場合
バッグの中に財布やパスポート、スマートフォンが入っていた場合は、それぞれ別の手続きが必要になります。
クレジットカード・キャッシュカード
クレジットカードやキャッシュカードが盗まれた場合は、警察への申告が終わるのを待たずに、発行会社へ紛失・盗難を連絡してください。
利用停止後は、不正利用の有無と再発行の方法を確認します。海外滞在中に利用できる代替の支払い手段についても考えておきましょう。
カード会社への連絡方法や現金確保については、韓国旅行でクレジットカードを紛失した時の利用停止・再発行ガイドで詳しく紹介しています。
パスポート
パスポートも盗まれた場合は、韓国警察に申告し、旅券の紛失・盗難に関する届出証明書について確認してください。
在大韓民国日本国大使館では、パスポートを失った日本人に対し、韓国警察の届出証明書を取得したうえで、旅券の失効手続きや帰国のための渡航書などを申請する方法を案内しています。
大使館で必要になる旅券関連の届出証明書と、保険会社に必要な盗難関係の書類は、提出先や用途が異なるため、両方の要件を確認しておきましょう。
帰国便が近い場合は、必要書類の準備や航空便の変更が必要になることもあります。
詳しくは、韓国でパスポートを紛失した時の警察・日本大使館・帰国手順をご覧ください。
スマートフォン
スマートフォンが盗まれた場合は、別の端末から紛失モードや端末の位置確認を利用できるか調べましょう。
必要に応じて、通信会社への連絡、重要なアカウントの保護、決済サービスの停止も進めます。
スマートフォンの位置が表示されても、一人で取り戻しに向かわないでください。位置情報は警察に伝え、安全な対応を相談しましょう。
韓国警察で使える韓国語フレーズ
警察官に説明する時は、次の韓国語をスマートフォンに表示して見せることもできます。
バッグを盗まれました
가방을 도난당했습니다.
カバンウル トナンダンヘッスムニダ
バッグを盗まれました。
盗難かどうか分かりません
가방을 잃어버렸는데 도난인지 잘 모르겠습니다.
バッグがなくなりましたが、盗難かどうか分かりません。
警察に被害を届け出たいです
경찰에 도난 신고를 하고 싶습니다.
警察に盗難の届出をしたいです。
保険請求に使える証明書が必要です
여행자 보험금 청구에 필요한 도난 관련 확인서가 필요합니다.
海外旅行保険の請求に必要な、盗難に関する確認書が必要です。
後から証明書を受け取れますか?
나중에 확인서를 발급받을 수 있나요?
後から確認書を発行してもらえますか?
日本語の通訳をお願いできますか?
일본어 통역을 부탁드려도 될까요?
イルボノ トンヨグル プタクトゥリョド テルカヨ
日本語の通訳をお願いできますか?
盗難の状況がはっきりしない場合は、最初から「盗まれた」と断定せず、分かっている事実を正確に伝えてください。
日本へ帰国する前に確認すること
盗難に遭った後は、できるだけ早く旅行を続けたいと思うかもしれません。
ただし、帰国後に韓国警察の担当者へ連絡したり、追加の証明書を依頼したりするのは手間がかかる場合があります。
帰国前に、次の項目を確認しておきましょう。
- 警察への申告と必要な受付情報の確認が済んでいる
- 保険会社が求める警察の証明書を確認した
- 証明書が未発行の場合、後日受け取る方法を確認した
- クレジットカードの利用停止を済ませた
- スマートフォンや重要なアカウントを保護した
- 盗難品の一覧と購入証明になる資料を保存した
- 保険会社への事故連絡と請求方法を確認した
- パスポートを失った場合、帰国に必要な渡航書類を確認した
可能であれば、警察から受け取った書類や控えを写真に残し、原本も大切に保管してください。個人情報を含む資料は、第三者に見られないよう注意しましょう。
韓国旅行のバッグ盗難に関するよくある質問
Q.盗難証明書がないと旅行保険は請求できませんか?
警察の事故証明書などを求める保険会社がありますが、必要書類や代替資料の取り扱いは契約や事故の状況によって異なります。
証明書がまだ発行されていなくても、まず事故の連絡を行い、後日提出が可能か確認してください。
Q.購入した時のレシートがない場合は?
購入履歴やクレジットカードの利用明細、商品を所有していたことが分かる写真などを確認してください。
ただし、これらの資料が領収書の代わりになるかどうかは、保険会社の審査によります。
Q.バッグの置き忘れも保険で補償されますか?
携行品損害補償では、盗難と単純な紛失・置き忘れで取り扱いが異なる場合があります。
置き忘れたことを盗難として申告するのではなく、実際の状況を伝えて補償の可否を確認しましょう。
Q.帰国後に盗まれたバッグが見つかったら?
警察に申告している場合は、担当窓口にバッグが見つかったことを伝えましょう。
保険会社に連絡済み、または保険金を請求済みの場合も、回収した物品と損害状況の変化を報告してください。
回収状況によって、請求内容や保険金の取り扱いが変わる場合があります。
まとめ|盗難後は警察の届出と保険請求を分けて確認
韓国旅行でバッグを盗まれた時は、まず身の安全を確保し、クレジットカードやスマートフォンの不正利用を防ぐことが優先です。
その後、韓国警察へ被害を申告し、海外旅行保険の請求に必要な書類を確認しましょう。
特に重要なのは、警察へ届け出ることと、保険会社が指定する証明書を揃えることは別の確認事項だという点です。
すぐに証明書を受け取れない場合でも、受付情報と担当窓口を控え、保険会社へ早めに連絡してください。
盗難か置き忘れか判断できない場合は、事実を正確に伝えることが、適切な対応につながります。
情報確認日:2026年10月9日。警察の証明書発行、保険の補償範囲、必要書類、通訳サービスの提供方法は、個別の状況や契約、各機関の運用によって異なります。
著者について:韓国在住の韓国人。大学で日本語を専攻し、日本への渡航経験や日本人の友人の韓国旅行を案内した経験をもとに、現地で困りやすい手続きや確認事項を整理しています。