日本から韓国へ食品を持って行くときは、食品名だけではなく原材料と加工状態を確認することが重要です。一般の旅行者が持参する肉・肉加工品は動物検疫の対象となるため、持って行かないと考えるのが分かりやすいでしょう。生の果物についても、仁川国際空港の旅行者向け案内では、生果実と果菜類を輸入禁止対象としています。
おにぎりも「おにぎりだから持ち込める」と一律に判断するのではなく、焼肉やハムなどの肉類が入っているか、加熱済みの魚や加工された植物性具材が中心なのかを確認します。
※この記事は2026年9月8日時点で、韓国・日本の公的機関が公開している情報を確認して作成しています。検疫条件は家畜疾病の発生状況や制度改正などによって変更されることがあるため、出発前には最新の公式情報も確認してください。
この記事では、日本から韓国へ旅行する人が、自分で食べる程度の食品を手荷物や預け荷物で持参するケースを前提に説明します。
目次
- まずは食品を3つに分けて確認
- 肉・ハム・ソーセージは持参を避ける
- 生の果物は旅行者向け案内で輸入禁止対象
- おにぎりは具材と原材料で判断する
- 迷ったら入国時に申告する
- よくある勘違い
- 出発前チェックリスト
まずは食品を3つに分けて確認
食品名を一つずつ検索するより、原材料と加工状態から大きく分けると判断しやすくなります。
| 食品のタイプ | 主な確認ポイント | 旅行者の対応 |
|---|---|---|
| 肉・畜産物を含む食品 | 肉、ハム、ソーセージ、卵・卵加工品、乳製品など | 動物検疫の対象を確認。肉入り食品は持参を避ける |
| 生の果実・果菜類 | りんご、みかん、ぶどう、いちごなど | 旅行者向け案内では輸入禁止対象。持参しない |
| 加熱・加工済み食品 | ご飯、菓子、加熱済みの魚、加工済み植物性食品など | 原材料と加工状態を確認し、検疫対象の原料があれば別途判断する |
仁川国際空港は、肉類・肉加工品・卵加工品・乳製品などを動物検疫の申告対象として案内しています。植物については、すべての植物類が申告対象で、旅行者向けの案内ではすべての生果実と果菜類を輸入禁止対象としています。
最新の対象品目は仁川国際空港の動植物検疫案内で確認できます。
肉・ハム・ソーセージは持参を避ける
牛肉、豚肉、鶏肉などの肉だけでなく、ハム、ソーセージ、ジャーキーなどの肉加工品も韓国では動物検疫の対象です。
仁川国際空港の案内では、旅行者が携帯する畜産物について、輸入可能な国からのものであり、輸出国政府機関が発行した検疫証明書を携帯している場合に検査を受け、問題がなければ持ち込みが認められる仕組みを案内しています。
ただし、これは日本のスーパーや空港で購入した食品を、未開封のまま簡単に持参できるという意味ではありません。日本の動物検疫所が公表する韓国向けの受入状況を見ても、食肉は品目によって協議中、未解禁、停止情報ありなど条件が異なります。
そのため、一般の旅行者が「検疫証明書さえあれば持ち込める」と考えるのではなく、肉や肉加工品は日本から持参しないと考える方が分かりやすいでしょう。
現在の国別状況は日本の動物検疫所「日本から輸出される食肉等の受入れ状況一覧」で確認できます。
「未開封」「真空パック」だけでは判断できない
日本のスーパー、コンビニ、空港で購入した市販品でも、未開封や真空パックというだけで検疫条件を満たすわけではありません。購入時のレシートや商品パッケージも、政府機関が発行する検疫証明書の代わりにはなりません。
日本の動物検疫所も、肉製品などを海外へ持ち出す場合は、渡航先の受入条件を確認し、必要な場合は出発前に輸出検査を受けるよう案内しています。詳しくは動物検疫所「肉製品などのおみやげについて(持ち出し)」で確認できます。
動物由来成分が入っていれば全部禁止、ではない
一方、畜産物を含んでいても、十分な加熱・加工を経て、そのまま使用できる一部の完全加工品には検疫上の別の基準があります。韓国の検疫基準では、マヨネーズなども完全加工品の例として挙げられています。
そのため、「原材料に動物由来成分が1つでも書いてあれば一律に禁止」と判断するのも正確ではありません。肉そのものやハム、ソーセージが具として入った食品と、十分に加工された調味料などは分けて考える必要があります。
ただし、完全加工品に該当するかは製品の加工方法や状態にも関係します。旅行者が商品名や原材料表示だけで判断できない場合もあるため、肉片、ハム、ソーセージ、焼肉などが入った食品は日本から持参しないと決めておくと迷いにくくなります。
生の果物は旅行者向け案内で輸入禁止対象
りんご、みかん、ぶどう、いちごなどの生の果物について、仁川国際空港の旅行者向け植物検疫案内は、すべての生果実と果菜類を輸入禁止対象として案内しています。旅行中のおやつ用であっても、日本から持参しないと考えるのが分かりやすいでしょう。
農林畜産検疫本部には、一部の品目や産地について登録された生産地、検疫証明書、消毒・低温処理などの条件を満たした場合に輸入できる制度もあります。ただし、これは一般の旅行者が日本のスーパーや空港で購入した生の果物をそのまま持参するケースとは分けて考える必要があります。
「1個だけ」「自分で食べるだけ」という理由で自己判断せず、旅行者が持参する生の果物は日本で食べ切るのが安全です。日本の空港で購入したものでも、韓国への入国時には韓国側の検疫ルールが適用されます。
加工された植物性食品は生の果物とは別
生の果物と、加熱・調製済みの植物加工食品は扱いが異なります。仁川国際空港は、加熱したものや食品として調製された植物加工品について、キムチや餅などを例に植物検疫の検査対象ではないと案内しています。
そのため、果物を使った食品でも、生の果実そのものと、十分に加熱・加工・調製された商品を同じものとして判断する必要はありません。ただし、肉・卵・乳製品など別の検疫対象となる原料が含まれている場合は、その原料についても確認が必要です。
商品を持参する場合は、原材料表示や商品名を確認できるパッケージを捨てずに残しておくと、入国時に説明しやすくなります。
おにぎりは具材と原材料で判断する

日本の空港やコンビニで購入したおにぎりは、「おにぎり」という商品名だけでは持ち込みを判断できません。見るべきなのは具材と原材料です。
- 塩むすび・梅・昆布など:加熱済みのご飯と加工済みの植物性具材が中心で、肉などの畜産物を含んでいないか原材料を確認します。
- 焼肉・豚肉・鶏肉・ハム・スパムなど:肉類を含むため動物検疫の対象を考える必要があります。日本から韓国へ旅行者が持参する食品としては避けるのが分かりやすいでしょう。
- ツナマヨ・加熱した鮭など:肉入りおにぎりと同じ扱いではありません。加熱・乾燥した水産物は水産物検疫の検査対象外と案内されており、マヨネーズも一定の完全加工品の例に挙げられています。ただし、商品によっては別の畜産物原料が含まれる場合があるため、原材料表示を確認してください。
水産物については、仁川国際空港が、加熱または乾燥した製品は水産物検疫の検査対象ではないと案内しています。詳しくは仁川国際空港の水産物検疫案内で確認できます。
おにぎりを韓国到着前に食べる予定であれば、肉入りかどうかを細かく調べて持ち込むより、韓国入国前までに食べ切る方法もあります。
韓国到着後に検疫対象と思われる食品が残っていることに気づいた場合は、隠して通過しようとせず、検疫官や税関職員に申告してください。
迷ったら入国時に申告する
「この加工食品は持ち込めるのか判断できない」という場合は、自己判断で何も申告せずに通過するより、入国時に確認する方が確実です。
- 出発前に商品の原材料表示を確認します。
- 肉、ハム、ソーセージ、卵・卵加工品、乳製品、生の果実・果菜類などが含まれていないか確認します。
- 商品パッケージは捨てず、原材料や商品名を確認できる状態にしておきます。
- 検疫対象か判断できない場合は、韓国到着後に旅行者携帯品として申告し、検疫官に確認します。
- 持ち込み不可と判断された場合は、廃棄や返送など現場の指示に従います。
仁川国際空港は、動物・畜産物や植物類を携帯する旅行者について、税関の旅行者携帯品申告書の該当欄にチェックし、検疫官へ提出して検疫を受けるよう案内しています。
韓国税関では旅行者携帯品の電子申告も提供しており、日本語にも対応しています。公式ページは韓国税関「旅行者税関申告」から確認できます。
申告したから持ち込みが認められる、という意味ではありません。申告は、持っている食品について正しく伝え、検疫官や税関職員に持ち込みの可否を判断してもらうための手続きです。
よくある勘違い
- 「飛行機に持ち込めたから韓国にも入れられる」
航空保安上の機内持ち込みルールと、韓国入国時の動植物・水産物検疫は別の制度です。 - 「未開封なら大丈夫」
未開封や真空パックという条件だけで、動物検疫の対象外になるわけではありません。 - 「少量だから大丈夫」
食品を判断するときは、量だけではなく、品目、原材料、加工状態、原産国などを確認します。 - 「肉エキスと書いてあるから全部禁止」
畜産物を含む食品でも、十分に加熱・加工された一部の完全加工品には別の基準があります。肉片やハムなどが入った食品と、加工済みの調味料を同じものとして判断しないことが重要です。
出発前チェックリスト
- 肉・ハム・ソーセージ・ジャーキーなどが入っていないか
- 生の果実や果菜類を荷物に入れていないか
- おにぎりやパンなどは具材と原材料まで確認したか
- 原材料表示のある商品パッケージを残しているか
- 判断できない食品は入国時に申告する予定にしているか
迷いやすい食品を無理に日本から持って行く必要はありません。特に肉入りの食品や生の果物は日本で食べ、必要な食品は韓国到着後に現地で購入すると、検疫条件を気にせず旅行を始めやすくなります。
執筆者について
韓国在住の韓国人で、大学では日本語を専攻しました。日本を複数回訪れ、日本人の友人の韓国旅行を案内した経験があります。本記事では個人的な体験談を作らず、韓国・日本の公的機関が案内している検疫情報をもとに、日本人旅行者が出発前に判断しやすい順番で整理しています。